高校を中退した時に真っ先に考えることは、働くことを選択するか、またはとりあえず通信制高校などを利用して高校卒業を目指したり、高卒認定試験などを経て大学や専門学校への入学を目指すかといったことではないでしょうか?
公立の通信制高校と大学入学資格検定(現在の高卒認定試験)を併用
私自身は高校を1年で辞めた時には、まだ就職は考えられませんでした。
そのため当時同じ境遇にいた友人達と一緒に、当時の大学入学資格検定(大検)の予備校を見学に行ったりして、将来について模索を始めました。
結果的に友人達は揃って大検予備校に進みましたが、私は県立の通信制高校で一部単位を取得して、大検で取らなくてはいけない科目を減らしつつ、どうしても大検受験をしなくてはいけない科目のみ独学で勉強して受けることにしました。
とりあえず苦手だった理系科目を中心に通信制高校で単位を取って、社会科などの暗記中心の科目は自分で勉強して大検に挑むことにしたのです。
県立通信制高校のスクリーニング(授業)は日曜日に行われていて、実際に通うのは月に2~3回程度です。
課題として与えられるレポート提出に苦労する部分はありましたが、普通科高校に通う中学時代の友人に教えてもらったりして課題をこなしました。
通信制高校では期末試験のようなテストもありますが、昼間の普通科高校のテストに比べればかなり易しいレベルなので、あまり苦労した記憶はありません。
平日は予備校の大学受験クラス
そして平日の昼間は父親のつてで河合塾の大学受験クラスに入れてもらい、高校2年生の年齢(16歳)から浪人生に交じって勉強しました。
とはいえ最初は高校2年生も経験していないのに浪人生クラスに入る形だったので、授業に全然付いていけず、偏差値は30程度しかありませんでした。
テストを受けても全くわからないため、ただ鉛筆を転がして解答を決めたり、「①を全部塗っておけば4分の1は正解するだろう」というような適当な感じでマークシートを塗りつぶしていたことを覚えています。
大学受験クラスの授業に全然ついていけないからつまらなくて、映画を見に行ったりしてサボることも多かったですが、クラスの飲み会などもあって友達もできたので、たまにサボりながらもなんとか通っていたような感じでした。
それでも16歳から大学受験科目(英語・国語・日本史)に集中できたことは、大学受験だけを考えれば結果的には正解だったと思います。
人間は周囲の環境に流されやすい
なぜなら大検予備校のほうに進んだ友人達は、誰一人として大検に合格をしていませんでしたし、大学に進学したという話は耳にしませんでした。
どちらかといえば徐々に遊びやアルバイトの方向に目が向いて、そちらのほうが中心になっていく人が多かったと思います。
高卒認定試験の予備校や、通信制のサポート校などに行くと勉強を教えてくれる先生がいますし、同じ目標に向かう仲間ができるというメリットがあります。
しかし、その一方で、良い仲間ができればいいのですが、そうじゃない場合人間は流されやすい生き物なので、ついつい楽しいほう、ラクなほうにいってしまう可能性が高いと思います。
現在のような大学全入時代とは違って、私の頃(1990年頃)の大学進学率は30.5%程度で低かったですし、さらに第2次ベビーブーム世代が大学受験にさしかかったタイミングで競争が厳しく、普通高校に通う平均的な成績の生徒でもなかなか現役で大学進学することが難しかった時代なので、現在とは状況が違うかもしれません。
今は高卒認定試験を突破するか、通信制で高校卒業の資格を取れば、学校さえ選ばなければ誰でも大学生にはなれます。
しかし、ある程度大学受験の勉強に時間を割きたい場合には、高卒認定試験予備校や通信制サポート校などをあえて使わない判断もあっていいのではないでしょうか?
久保 逸郎
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